眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

五月の冷気

日記

夜明け前の午前四時
世界はまだ、安いバーの飲み残しのように濁っている
トレンチコートの襟を立て
五月の、生ぬるい皮肉のような雨を聴く
アスファルトを叩く音は
タイプライターが冷酷な真実を刻む音に似ていた
「初夏」などという言葉は、この街にはない
ただ、少しだけ湿った孤独が
路地裏の錆びた非常階段を濡らしているだけだ
トタン屋根を跳ねる雨だれは
過去から送られてきた、終わりのない暗号
モールス信号のテンポで
忘れたはずの女の名前を刻み続ける
火をつけた煙草の煙が
紫色の冷気に溶けて消えた
生き延びることは、そう難しいことじゃない
冷え切った琥珀色の珈琲を飲み干すことと
この降り続く雨だれを
ただの雑音だと言い聞かせる、少しの嘘があればいい
夜が明ける
だが、光がすべてを救うわけじゃない
ただ、俺の影を
泥水の中に、より黒く浮かび上がらせるだけだ_


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