眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

5月の終わりによせて

小説/詩

風は ひそやかに 光をたたんでいる
あんなに眩しかつたみどりの梢に
いまは しづかな翳(かげ)がより添ひ
ひとつの季節が その幕を閉じようとしている
僕のてのひらに残された あたたかな記憶
おまへの髪を揺らした あの日のはじまりの風は
いつしか 遠い物語のやうに
かすかなざわめきとなって 消え去ってゆく
夢みたものは いつだつて
この五月の青い空の どこかにあつた
けれど すつと消えてしまう星のやうに
消えやすいものだからこそ 美しかつたのだらうか
さようなら 僕たちのまばゆい五月
明日はもう あたらしい雨が
見知らぬ季節を 運んでくるだらう
僕はただ 窓をひらき 最後のそよ風を待っている


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