眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

雑音(ノイズ)とブルース

日記

外は暴風雨、世界が引き裂かれる夜
停電の闇の中、机の隅でそいつが這いつくばっている
埃を被った真空管、傷だらけのプラスチック
指先でダイヤルを回せば、骨董品がかすかに震えた
ザー、ザー、と砂嵐の音が部屋に満ちる
台風の咆哮に負けじと、奴は必死に声を絞り出す
途切れ途切れに流れてきたのは
いつかどこかで聴いた、安っぽいブルースの旋律
バーボンを満たしたグラスに、窓伝いの稲光が跳ねる
タバコの煙が、ラジオの放つ微かな熱に巻かれて消えた
ニュースキャスターが、避難を呼びかける悲鳴を上げている
だが俺は動かない、この擦り切れた音が妙に心地いい
吹き飛ばせ、この世界の欺瞞(ぎまん)を
根こそぎ持っていけ、過去の未練もろとも
嵐の風圧でガラスが軋むたび
ラジオのノイズは、激しさを増していく
やがて、電波は完全に途絶えた
静寂と闇が、すべてを等しく支配する
俺はただ、冷めかけた煙草の灰を落とし
次の夜明けを、静かに待つ


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