眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

月光の埠頭

日記

台風が去った後の埠頭は、ひどく静かだった
ちぎれた雲の隙間から、冷たい月光が零れ落ちる
海面は黒いインクのように凝固し
錆びついたボラードが、誰かの墓標のように佇んでいた
コートの襟を立て、煙草に火をつける
紫煙は月明かりに溶け、すぐに消えた
ここにはもう、誰もいない
あいつが残した、かすかな香水の残り香以外は
「約束の時間は過ぎたな、月よ。
あいつはもう、この船には乗らないらしい」
ポケットの中で、冷え切ったスキットルに触れる
結局、俺たちはいつもすれ違う
ブルースの旋律だけが、波の音に混ざって
俺の耳の奥で、低く、重く、リフレインしていた
月光に照らされた影が、不自然に長く伸びる
それが俺の、唯一の相棒だ
あいつのいない夜を、俺はまた一人で歩き出す
凍りついた光の海を背に、次の街へ向けて


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