眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

存在しない幻影

その他

私は存在しない幻影、窓辺の椅子に、ひとひらの さふらん。風が吹けば、ふつと消えてしまふ霧に濡れた、小さな村の、或る日曜日の午后。(あなたは、私の影を追つて、 もう、どこにもゐない私の声を聞かうとする)もうよいのです、あかつきのさみしい部屋で、私は、私の夢を築いてゐたのだから。その、誰も知らない、ささやかな、美しい、小さな家を。

幻影のうた私はどこにもゐない 空のひろがりのなかちぎれ雲の、そのまた白さに 薄く薄く溶けてゐるあかるい あかるい 忘れられた庭ののばらの影に ひそんでゐる風が吹けば 私はかたちをなくし静止すれば また ありふれた夢のやうに誰も知らない 物語を紡いでゐるひとびとは過ぎ去り 私はただ そこにゐる私の指は 風をなぞり私の言葉は 木々のざわめき私は 記憶のなかの あかるい場所あはれな なつかしい 幻影いつか すべてが 遠く過ぎ去つたあとに私だけが 青い夕空に 残つてゐるでせうひとつの ちひさな あかりのやうにひとつの ちひさな ためいきのやうに…


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