それはいつか見た夢

小説/詩

ひとひらの言の葉が空に舞ひあがり
つめたい風はそれを遠くへはこぶ
森の葉はさやぎ 草はひそかに囁き
言霊は光のなかでやはらかく息づく
おまへが口にしたちいさな祈りは
いつしかひかりの環(わ)となってひろがり
しづかな夕べの空にむすばれてゆく
なみだのあとには美しい虹がかかるやうに
私はただ 窓辺によりかかつて
遠いひかりの記憶をあつめてゐる
うたがふこともなく ただ信じてゐるのだ
ことばは風にのり やがて花をさかせる
それはいつか見た夢のなかのやうに
ひとすぢの希望を 胸のくぼみに抱きしめて


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