眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

秋風の告白

小説/詩

僕は、やっぱり、だめな男でした。
神様からいただいた大切な命を、
おもちゃのように、お部屋の隅でいじくりまわし、
とうとう、壊してしまったのです。
世間の皆様の、あの、正しい足音が聞こえます。
「しっかりおしよ」と、
路地裏の泥水のなかから、
誰かの、冷たい声が聞こえます。
ああ、ごめんなさい。
僕は、ただ、寂しかっただけなのです。
愛されたくて、
愛されたくて、
道端の犬の真似をして、おどけてみせたら、
みんなは、僕の頭を叩きました。
僕の心のなかには、
一匹の、痩せこけた、黒い猫が住んでいます。
夜が来ると、
僕の胸の障子(しょうじ)を、
その鋭い爪で、カリカリと引っ掻くのです。
「お前は、嘘つきだ」
「お前は、人間の資格が無いのだ」
テレザ、泣かないでおくれ。
君の白いハンカチを、
僕の、この、汚れた涙で濡らしたくはない。
僕は、君の優しさが、
まるで、冷たい剃刀(かみそり)の刃のように、
この胸の奥に、深く、突き刺さるのを感じるのです。
サビナ、どこへ行ってしまったの。
僕たちは、同じ、
落ち葉の船に乗った、哀れな旅人だったのに。
君の冷たい笑い声だけが、
いまも、僕の耳の底で、
ちりん、ちりんと、悲しく響いています。
もう、およしなさい。
お説教も、言い訳も、すべては終わったのです。
僕は、夕暮れの、
あの、薄紫色の空気のなかに、
すうっと、溶けて消えてしまいたい。
さようなら。
僕の、いちばん愛した、
重たくて、苦しい、この世界よ。


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