乾いた血と、雨の果て
午前五時。
闇に消えたはずの俺の足が、なぜか止まる。
雨はまだ、路地裏の泥を洗い流し続けている。
お前を突き放したはずの胸の奥で、
名前のない痛みが、静かに疼きだした。
闇に消えたはずの俺の足が、なぜか止まる。
雨はまだ、路地裏の泥を洗い流し続けている。
お前を突き放したはずの胸の奥で、
名前のない痛みが、静かに疼きだした。
マクダラのマリア。
かつて罪に汚れ、それでも誰よりも激しく泣いた女。
彼女の涙は、許しと救いの始まりだったという。
かつて罪に汚れ、それでも誰よりも激しく泣いた女。
彼女の涙は、許しと救いの始まりだったという。
だが、この雨に濡れる路地裏には、
そんな美しい奇跡など、どこにも落ちていない。
お前が流した涙は、ただの冷たい雨水だ。
俺の傷も、もう二度と癒えることはない。
そんな美しい奇跡など、どこにも落ちていない。
お前が流した涙は、ただの冷たい雨水だ。
俺の傷も、もう二度と癒えることはない。
冷酷に切り捨てたはずの、お前の泣き顔。
それが、マリアの涙のように、俺の網膜に焼き付いて離れない。
突き放したはずなのに、
俺の心もまた、お前と同じ泥の中に沈んでいる。
それが、マリアの涙のように、俺の網膜に焼き付いて離れない。
突き放したはずなのに、
俺の心もまた、お前と同じ泥の中に沈んでいる。
切なさに胸を灼かれながら、俺はまた歩き出す。
マリアの涙が、世界を救ったのだとしたら、
この街の雨は、俺の罪をどこへ運んでいくのだろう。
マリアの涙が、世界を救ったのだとしたら、
この街の雨は、俺の罪をどこへ運んでいくのだろう。
俺は再び、闇の向こうへ足音を消した。