眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

破片のなかの聖者

日記

午前五時三十分。
闇に消え損ねた俺は、うらぶれた安ホテルの部屋にいた。
壁に掛かった錆びた十字架が、斜めに傾いている。
誰も救わなかった、誰も救えなかった、鈍い鉄の塊だ。
鏡に向かい、冷たい水で顔を洗う。
だが、そこに映る俺の顔は、ひび割れて歪んでいた。
お前を突き放した瞬間に、俺の手で叩き割った割れた鏡
バラバラになったガラスの破片が、俺の醜い孤独をいくつも映し出す。
お前が流した、マリアのような涙。
それを冷酷に踏みにじった俺の心もまた、この鏡と同じだ。
もう二度と、元の一枚には戻らない。
許しを請うようなお前の声が、耳の奥で鳴り響く。
突き放して手に入れたのは、勝利ではない。
ただの、息もできないほどの切ない夜だ。
錆びた十字架は、何も語らない。
割れた鏡の破片が、朝の光を鈍く跳ね返している。
俺はただ、割れた自分の心を見つめながら、
明けない夜の底で、静かに立ち尽くしていた。_


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