夏至について④
夏至
げし
二十四節気 6月21日〜7月6日頃
夏至(げし)とは、一年でいちばん日が長く、夜がみじかくなる頃。気温が上がり、暑さは日に日に増していきますが、日照時間は冬に向かって少しずつ短くなっていきます。
七十二候
初候 6月21日〜6月25日頃
乃東枯
なつかれくさかるる
冬至の頃に芽を出した「靫草(うつぼぐさ)」が枯れていく頃。色鮮やかな夏の花が開花するという時期に、枯れていく花に思いを寄せた、古人の優しさを感じる言葉です。
次候 6月26日〜6月30日頃
菖蒲華
あやめはなさく
アヤメが花を咲かせる頃。アヤメが咲くと、梅雨到来といわれていました。アヤメ、ハナショウブ、カキツバタはよく似ており、非常に見分けがつきにくいです。
末候 7月1日〜7月6日頃
半夏生
はんげしょうず
半夏(からすびじゃく)が生える頃であり、半夏生の名をもつ草の葉が白く染まる頃。農事の節目ともされており、田植えを終わらせる頃です。
▽和暦コラム「半夏生と半夏」
半夏生と半夏
人の住まなくなった家の庭に、半夏生の花がたくさん咲いていることに気づきました。少し前まではただ緑一色に覆われて、雑草が生い繁っているようにみえていたのですが、ハンゲショウは、花の咲く時期にだけ、葉の上部が真っ白に変わります。ハンゲショウは、ドクダミ科の多年草です。自然に増えたのか、広い庭におおらかに咲いていました。
緑と白のコントラストがいかにも涼し気で、わずかな期間を告げる夏の色に、心が踊ります。葉が白く変化することから、半化粧、片白草とも呼ばれています。楚々とした風情があり、夏の茶花にもよく使われる草花です。葉が白くなるのは虫を呼び寄せるためだそうで、花期がすぎると緑一色に戻ります。
名前が紛らわしいのですが、雑節の「半夏生」は、七十二候の「半夏生ずる」からつけられた暦日で、かつては夏至から11日目にあてられていましたが、現在は黄経100 度を通過する日で、毎年7月2日頃になります。この頃に降る雨は大雨になることが多かったころから、半夏雨(はんげあめ)と呼ばれています。
この場合の半夏(ハンゲ)は、現在も漢方薬に使われているサトイモ科のカラスビシャクです。浦島草に似ていますが、浦島草より小さく、花期も遅く、梅雨どきに咲きます。狐の蝋燭(きつねのろうそく)、蛇の枕(へびのまくら)という別名があるように、なんとも不思議なかたちをしています。雨の中で突然、にょきにょきと細い茎をのばす、その特異な形はわかりやすい目印だったのでしょう。
農事暦は元々、こうした身の回りの自然がつねに連動し、精妙につながり合っている様子を観察することから生まれています。どの花が咲いたら、どの種を蒔くなど、地方によってさまざまな言い伝えがあります。
▽旬のもの
・果物
夏みかん
夏みかんは、疲れを和らげるクエン酸と、日焼けした肌に効く、美肌効果のあるビタミンCがたっぷり詰まっています。酸味が強く、香りがいいのでレモンの代わりとしても重宝します。
・さかな
鮎あゆ
清流にすみ、淡水魚の代表である鮎。川によって味が違うといわれ、きゅうりに似た独特の香りから、「香魚(こうぎょ)」とも言われます。
・野菜
オクラ
オクラの粘り気は、免疫力を高め、胃の粘膜を強化し、ストレスで弱ったお腹の調子を整えてくれます。夏のネバネバ野菜は、夏バテ予防の心強い味方です。
・たしなみ
冷酒ひやざけ
ひやざけは燗をせずに飲む酒であり、常温のお酒のことを言い、冷蔵された冷酒(れいしゅ)とは違います。日本酒の本当の美味しさがでてくるのは、ひやざけの常温とされています。
・行事
夏越の祓なごしのはらえ
六月の末日(晦日)は、十二月の大晦日と同じく「大祓(おおはらえ)」の日です。 この日は各地の神社で、罪や厄災を祓う「夏越の祓」が行われ、茅草でつくった輪をくぐる「茅の輪くぐり」が行われます。