眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

風と追憶つゐをく長崎(みなと)の坂道3

小説/詩

石畳(いしだたみ) 濡れたる坂を
ひとり登れば 異国の薫(かお)り
海のひろが(が)る 崖(がけ)の上(へ)には
ただ群青(ぐんじやう)の 夜(よる)の迫りて
遠き汽笛の 掠(かす)れたる声
船の灯(ともしび) 窓にまたたき
さよならの 代(か)はりの接吻(くちづけ)を
あの日 潮風(かぜ)に奪はれたるままなりき
されど 異人館(いじんくわん)の
古びしピアノの 聴こゆるは
それは けつして消ゆることなき
僕らの、小さき約束
君は 波止場(はとば)のむこうで気づきしたらうか
寄せては返す 白波のなかに、ぽつんと消えゆく 幻影(まぼろし)よ


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