眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

バラ色の庭園にて

小説/詩

深い河のゆくへを だれも追はうとはしないやうに
この岸辺のしづけさを おとづれる者もゐない
ただ僕ひとりが 草をふみわけて行き着いた
誰も知らない 秘密のバラ色の庭園(には)よ


あふれるほどの花びらが 夕映えのやうにひらいて
あまい香りは 僕の記憶の古傷をあたたかく包む
けれどここには 僕をよぶ「おまへ」の聲はなく
ただ静かな風だけが 僕の孤独の髪をなでてゆく

あぁ 深い河の水音(みづおと)が 遠くできこえる
すべては過ぎ去り 二度と還らない時間のやうに
この美しい園(その)もまた やがて闇に溶けるのだらう

僕は独り バラの雫を指さきにうけて
まだ見ぬ明日のために 小さな祈りをささげてゐる
沈黙の河のほとり ただひとつの夢を抱きしめながら


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