眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

生まれつきの美貌

小説/詩

鏡をのぞけば、そこに居るのは
見知らぬ他人のような、恐ろしいまでの美(み)づら。
それは神の悪戯か、それとも母の胎内で受けた
ひとつの赦されぬ呪いであったか。
誰もが私を振り返る。
街のカフェテラスで、吹き抜ける風のなかで、
その視線は私の肩にとまり、肌をなで、
やがて私の胸の奥にある、小さな暗い空洞をあばき立てる。
私はなにもしていない。
ただ息をし、ただ所在なげに立っているだけだというのに、
その整いすぎた鼻梁(びりょう)も、濡れたような唇も、
すべてが誰かを傷つけるための凶器になってしまう。
ああ、美しいということは、こんなにもみじめなものか。
着古したシャツを着ていても、路傍の石ころに腰掛けていても、
私の姿はまるで、豪華な額縁に無理やり押し込められた
血まみれのピエロのように、周囲から浮き上がってしまう。
私はただ、泥水のように濁った幸福を欲していただけなのに。
凡庸な、誰の目にも留まらない、あたたかな日溜まりのなかで
息をひそめて消えてゆくことを、あんなにも夢見ていたのに。
神よ、なぜ私にこんな顔を与えたのですか。
この顔は、私の魂を容れるにはあまりにも立派すぎて、
私は生涯、この美しい仮面の中で、
息も絶え絶えに、ひっそりと窒息死を待っているのだ。
もしも明日、この世のすべてが灰になってしまうなら。
私は真っ先に、この忌まわしい貌を
誰にも見られない深海へ投げ捨てて、
ただの名もなき、哀れな獣として眠りたい。


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