眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

面倒な商材売りの輩

人生

夜霧の街角で男は叫ぶ
『成功の鍵』だと小冊子を掲げて
濡れ手に粟の夢物語
男のスーツは汗と埃で泣いている


分厚い紙束 時代遅れのロマン
誰かの不幸で塗り固められた階段
それを登れば光が見えると
男は必死に ひどく面倒にまくしたてる


「この通りにやれば全てが手に入る」
男の瞳は濁った琥珀色
だがグラスの中身はただの水道水だ
渇きを癒やすこともできず
薄利多売の商売は 今日も誰にも届かない


硝子窓を叩く冷たい雨
男の足元は泥でぬかるんでいる
誰にも相手にされぬ商材を抱え
それでも男は歩き続ける
夜の帳(とばり)に溶けていく

哀れなピエロのように

俺は男の肩をポンと叩き、言った。「いいか。人を騙すための言葉なんて、この街ではすぐに錆び付くんだ。お前の売るその『成功のシナリオ』には、泥水の中で血を流す覚悟が足りない」。

男は俺の言葉の意味を理解できたかどうかは分からない。ただ、肩をすくめ、再び重いアタッシュケースを抱え直して、雨の降る街へと消えていった。


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