眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

渚の追想

小説/詩

白い砂は ひそやかにかわき
波のきれはしが たえず洗う白浜のくぼみに
ハマヒルガオは うす紅のささやきをひらいていた
風はかすかに 岬の方から吹いてきて
おまえの髪のにおいを どこかへ運んでゆく
追憶のなかの あの一本の樹のように
砂丘のうえに ぽつんと残された個影よ
わたしは耳をすます あの日の歌のひびきに
けれど潮騒(しおさい)は ただくりかえすばかりで
答えてはくれない 淡い青空の遠く
去ったものは みな美しく
かえらない時間は ガラスの破片(かけら)のよう
波打ち際に寄せてはかえす 白い泡のなかに
わたしは消えた面影を いまもさがしている
うつむいた花びらに ひとしずくの露を落として


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