眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

砂の砦、あるいは失われた歌へのソナチネ

日記

II. 白い砂のうえの個影
岬のまわりを いくつかの雲がすぎてゆき
青空は あまりにも透明で つめたい
ここに残された たったひとつの個影(シルエット)は
だれの心にもふれることのない 一本の樹に似ている
海よ おまえはなぜそれほどまでに優しく
くりかえし くりかえし 白い泡を寄せるのか
なにもかもを 連れ去ってしまったそのあとで
残された窓に ただ悔恨の風を吹きこむために
ガラスの破片(かけら)のような光が 波の背にくだけ
わたしの視線は 水平線のかなたで行き暮れる
おまえの呼び声は もう潮騒に消されてしまった
うつむいたハマヒルガオの 小さな花びらのうえに
夜の気配が しずかに降りてこようとするとき
わたしは消えた面影を 冷たい砂のなかに抱きしめる


#日記広場:日記