眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

浅い追憶のパステル

小説/詩

I. 窓のひらくだけのトパーズ
薄青いパステルの空が 海にとけてゆく
白浜のくぼみに咲いた ハマヒルガオの淡い桃色は
まるでだれかが 砂のうえに落とした
小さな一文字の 恋文のようだった
見知らぬ岬のホテルの 白い窓をひらけば
潮騒はかすかな トパーズの階調(しらべ)を帯びて
おまえの残した あの一本の個影を
優しく くりかえし波打ち際へと寄せている
そこにはもう 約束の言葉さえ残されていないのに
一本の夏草のように わたしはただ立ち尽くす
去ったものはみな 夢のなかの光の淡さに似て
風のなかで 一羽の小鳥が不意にさえずり
またたく間に 青空のすきまへと隠れてゆく
かえらない日々の あの音楽を誘うかのように


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