眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

浅い追憶のパステル

日記

II. 硝子窓のむこうの七月
おまえの指先は いつも雲のちぎれ端にふれていた
パステル画のなかの あわい緑の草むらのように
わたしたちの時間は いつでも静かに息づき
窓辺につるした 小さなカノリヤのように歌っていた
けれどいまは 乾いた砂がひそやかに舞い上がり
ハマヒルガオの うつむく花びらを隠そうとする
残された個影は 夕暮れのなかに長く伸びて
もうだれも開けることのない 硝子窓を濡らす
潮騒よ おまえはなぜそんなに優しく寄せるのか
失われたものたちの 名前をひとつずつ呼ぶように
波のきれはしが わたしの靴を濡らしてゆく
小鳥の羽音のような風が 岬をすぎてゆき
わたしはひとり あの日見た窓の幻影をみつめている
砂の砦が しずかに崩れてゆくその夕映えのなかで


#日記広場:日記