眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

星屑の森によせて2

小説/詩

誰もゐない、夜のしじまのなかに、
古いオルガンは形見のやうに眠つてゐる。
窓からさしこむ、あえかな星のひかりだけが、
あなたの触れた鍵盤のうへに、涙のやうにこぼれてゐた。
もう、あの細い指がここに還ることはない。
硝子(がらす)のやうに儚く消えた、優しい面影、
千切れ雲のゆくへを追ふ、わたしのこの手は、
引き留める術(すべ)もなく、ただ冷たい風をまさぐるばかり。
ねえ、どうして幸福(しあはせ)は過ぎ去つてしまふの、
鳴るはずのない鍵盤から、かすかに零れ落ちるのは、
あなたの宛名のない手紙、星の、かなしい子守唄。
星屑の森は、なにも言はずにわたしを包み、
あかるい朝を、もう、願ふことも忘れて、
冷たい光のなかで、わたしは、ただ、ひとり。_


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