眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

星屑の森によせて4

小説/詩

深い闇のなか、ただ静かに星のまたたきを数えるように。
すべての音が眠りについた、いちばん優しい夜の底。
星屑の森によせて
だれもいない、夜のしじまのなかで、
古いオルガンは、息をひそめて眠っている。
窓からさしこむ、あえかな星のひかりだけが、
かすれた鍵盤の上に、しずかに横たわっていた。
もう、あの細い指が、ここに還ることはない。
硝子(がらす)のようになめらかな、優しい面影。
それさえも、淡い夢のなかの出来事のようで、
風が吹けば、すぐに消えてしまいそうなほどに。
梢(こずえ)のそよぎも、いまはもう、遠い。
鳴るはずのない鍵盤から、かすかに零れるのは、
僕の記憶がそっと呟く、星の、子守唄。
悲しみさえも、おだやかに、眠りにつく。
星屑の森は、深い静寂(しじま)に満たされて、
世界に、ただ、僕をのこしてゆく。
あかるい朝を、もう、願うこともなく、
冷たい光のなかで、僕は、ひとり。


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