眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

結晶のそらのしたで

小説/詩

冷たい夢」「音楽の途絶」「結晶化する記憶」という世界観を、すべての熱運動が止まり、エントロピーが最小となる究極の静寂「絶対零度」に重ねた詩編です。

これ以上はもう つめたくなれない場所へ
ぼくたちの時間は ゆっくりと流れついた
風はうごきを止め 光はガラスの針のようになって
青い夜の底に ひっそりと突き刺さっている
きみのくちびるから こぼれようとした言葉も
ぼくの胸のなかで あばれていた小さな感傷も
みんな等しく いちばん正しい配置のままで
うつくしい氷の結晶になって やすらっている
そこにはもう あしたという名の揺らぎはなく
失われてゆくおそれも かなしみの摩擦もない
すべてがしずまりかえった マイナス二百七十三度の部屋で
ぼくたちは永遠に かわらないひとつの絵になる
ああ 熱をなくしたこの世界の いちばん端っこで
ぼくたちの魂は これ以上ないほど澄みわたり
音のないピアノのように ただ寄り添っている
凍りついたまたたく星の ひかりの影に隠されながら


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