眠りの森 〜言葉の雫〜

眠

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

生体中心主義(バイオセントリズム)

小説/詩

Ⅰ
光は ひそやかに顫(ふる)えていた
僕がそれを見るまでは
どこにも居場所をもたぬまま
ただ 雲のように にじんでいた
見失われた季節のなかで
風がかすかに 歌をうたう
――おまえがここに居るからこそ
世界はこうして ひらいているのだと
Ⅱ
人はいう
いつか肉体(からだ)は朽ち果てて
冷たい土にかえるだろうと
時間はすべてを連れ去るだろうと
けれど それはちいさな錯覚
時間も 空間も はるかな星々も
僕たちの心が織りあげた
ひとつの織物にすぎない
Ⅲ
窓をあければ 青い夜空
死という名の 暗い扉のむこうには
新しい別の部屋が つながっている
そこでもやはり 僕は僕として目覚めるだろう
意識のなかに すべての宇宙が眠り
宇宙のなかに 僕の意識が目覚めている
死なないものは はじめから死なない
ただ やさしい夢のつづきへゆくだけだ


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