眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

河もにうつる夏の花火 ――秘密の場所によせて

小説/詩

ひらかれたのむこう 夜のが冷たく渡り
パステルの画のやうなは やがて闇に消えてゆく
ぼくはひとり薄明のなかで 古い日記を閉じ
あの日きみと息をひそめた秘密の場所を弔(とむら)ふ
遠い街のざわめきも絶え 消え入る音楽のやうに
静かな河のおもてに ひとつのひかりが零れ落ちる
それは音もなく引き裂かれた 夏の花火の
かなしい追憶のはじまりのやうに ただ虚(むな)しかった
あかいひかり あをいひかりは水面を滑り
還ることのない夜の底へと沈んでゆく
きみはもう何も言はず ただ幻のやうに透き通り
凍てついたのへりに 一羽の死んだ小鳥を見るやうに
ぼくの手のひらは あの夜の冷たさだけを抱きしめてゐる
日記の白ページのなかに すべてを失ひながら


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