河もにうつる夏の花火2
ひらかれた窓のむこうの暗い夜のなかに
風はあわただしく ちぎれた雲を運んでゐる
ぼくはひとり失はれた季節の日記をひらき
あの日きみと息をひそめた秘密の場所を想ひだす
風はあわただしく ちぎれた雲を運んでゐる
ぼくはひとり失はれた季節の日記をひらき
あの日きみと息をひそめた秘密の場所を想ひだす
遠い街のざわめきは かすかな囁きとなり
静かな河のおもてにひとつのひかりが零れ落ちる
それは音もなく闇にひらかれた夏の花火の
かなしい追憶のはじまりのやうに美しかった
静かな河のおもてにひとつのひかりが零れ落ちる
それは音もなく闇にひらかれた夏の花火の
かなしい追憶のはじまりのやうに美しかった
あかいひかり あをいひかりは水面を滑り
またたくまに夜の底へと還ってゆく
きみは何も言はずにただそれを見つめてゐた
またたくまに夜の底へと還ってゆく
きみは何も言はずにただそれを見つめてゐた
いまもぼくの窓を吹き抜ける風のなか
手のひらはあの夜の冷たさをおぼえてゐる
日記には書き残せなかった あざやかな幻を
手のひらはあの夜の冷たさをおぼえてゐる
日記には書き残せなかった あざやかな幻を