眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

河もにうつる夏の花火2

小説/詩

ひらかれたのむこうの暗い夜のなかに
はあわただしく ちぎれたを運んでゐる
ぼくはひとり失はれた季節の日記をひらき
あの日きみと息をひそめた秘密の場所を想ひだす
遠い街のざわめきは かすかな囁きとなり
静かな河のおもてにひとつのひかりが零れ落ちる
それは音もなく闇にひらかれた夏の花火の
かなしい追憶のはじまりのやうに美しかった
あかいひかり あをいひかりは水面を滑り
またたくまに夜の底へと還ってゆく
きみは何も言はずにただそれを見つめてゐた
いまもぼくの窓を吹き抜けるのなか
手のひらはあの夜の冷たさをおぼえてゐる
日記には書き残せなかった あざやかな幻を


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