眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

カウンターの告白

日記

「いい曲ね」
隣の女が、グラスの縁を指でなぞりながら呟いた
低く、かすれたその声は
スピーカーから流れるブルースによく似ていた
「ああ、魂を削り取るような歌さ」
俺はバーボンを口に含み、短く応える
グラスの氷が、チリリと小さく鳴いた
それが俺たちの、最初の乾杯だった
「こんな夕暮れには、すべてを忘れたくなるわ」
彼女の瞳に、ネオンのブルーが冷たく反射する
訳ありの過去など、この街では珍しくもない
詮索するのは、野暮ってものさ
「忘れる必要なんてない」
俺は煙草に火をつけ、紫煙を天井へと逃がした
「ただ、今夜の音楽に溶かせばいい」
彼女は小さく笑い、自分のグラスを飲み干した
言葉は途切れ、また静寂が戻る
だけど俺たちの間には
確かなリズムが、確かに流れていた


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