眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

最終章:雲海の果てに

小説/詩

かすかな風が…… ひそやかに
わたしの頬を 通りすぎる
あの日のやうに 眼下にひろごる雲海のなか
あんなに深かつた夜の闇が いまはもう溶けてゆく
ここは最初に ふたりで出逢つた場所
いまは独り 冷めたき風に立ち尽す
ちぎれゆく白き雲の合間に
失はれたものたちの やさしい影がにじんでゆく
あかつきは あまりに静かで
届かぬ名前ひとつ 雲海へと叫べぬ間に
光の幕が そつと降りてくる……
もう二度と戻らない あの駅のホオムのやうに
せめてこの一瞬の 青き孤独を
あなたの心に…… 残しておきたい
【添へ書き】
君と最初に見たあの雲海の地に、僕は独りで立つてゐます。
消えかけたランプも、冷めた珈琲も置いて、この果てしない白銀の波の前に来ました。
僕たちの物語はここで静かに幕を閉じますが、どうか君のゆく未来が、この朝光のやうに光り輝いてゐますやうに。さようなら。


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