眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

夏の高原 手紙

小説/詩

あおい木蔭のテーブルに ひろげた便箋(びんせん)
夏のひかりが しらかばの葉をまぶしく揺らし
ぼくの万年筆のさきに ひとつの名前を
書かうとしては また風がさらってゆく
おまへに宛てた手紙は いつも途中で途切れる
あまりに透きとおつた この高原のひるさがりに
ぼくのさびしさを語る ことば(言葉)が見つからない
ただ すずらんの揺れる音だけを ここに閉じ込めたい
けれど 書かれなかつた言葉のほうが
どんなに深く おまへのもとへ届くだらう
あざやかなみどりの誘惑に 目をひらけば
遠い雲が 青いそらの涯てへと消えてゆく
ぼくの手紙は 一通の風となって
いま おまへの窓辺へと 吹き抜けてゆくだらう


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