眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

サマータイム3

日記

ネオンの灯が雨の舗道に溶け、歪んだ水たまりを作っている。
場末の飲み屋街。
錆びついた看板が、風に揺れて軋む音だけが響いていた。
場違いなほどに、色気のあるサックスの音が聴こえる。
シドニー・ベシェの「サマータイム」。
むせび泣くようなヴィブラートが、湿った夜気を切り裂いていく。
一軒のバーのドアを押し開ける。
煙草の煙と、安物のバーボンの匂い。
カウンターの隅、琥珀色のグラスを見つめる。
人生は、ベシェのサックスに似ている。
激しく揺れ、哀愁を帯び、最後は静かに消えていく。
誰もが何かを失い、ここに流れ着く。
過去を洗い流すための酒。
未来を忘れるためのメロディ。
グラスを干し、コインをカウンターに置く。
外はまだ、容赦のない雨。
私は再び、寂れた街の闇へと_


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