眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

寂れた温泉宿から2

小説/詩

白く、どこまでも白い朝の霧がひろがり
岩場もみづうみも、すべてを隠してしまふ
ここにはただ、世界の果てのやうな静寂
わたしの呼吸(いき)だけが、つめたく響いてゐる
背負ひつづけたかなしみは、あまりに重く
私はもう、語るべき言葉を失くしてしまった
ただ独り、この濃い霧のなかに立ち尽くし
消え去った過去のひとを、おもひだしてゐる
湧き上がる湯煙は、朝霧のなかに溶け去り
どこからが夢で、どこからが現実(うつつ)かも分からず
ただ、しんしんと、つめたい時間が降り積もる
すべてが白く消えゆく、この消滅のほとりで
私は、この深いしづけさに身をまかせ
ただ、かすかな光の訪れを、待ってゐる


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