眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

ある日、白浜の海にて

小説/詩

夢見たものは ひとつのやさしいあかるい海
雲はちぎれて 空の果てまでながれ
濡れた砂の上には 小さな海鳥が
いつのまにか ひとりでたたずんでゐる
ひるすぎの風は まつすぐに海をわたり
波の音は やがてかなしい調べにかはる
海鳥よ おまへはなにを待つといふのか
もうすぐ日が暮れるのに まだ飛ばないのか
あたりいちめん 夕日はかがやきながら
空と海とを 燃えるやうな茜色に染める
私の胸のなかの 静かな風景のやうに
海鳥はふと羽をひろげ 光の中へ消えた
おまへのやうに 私もここを去らなければならない
風のなかに なにかしら美しい約束を残して


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