眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

月光のなかの砂利(すな)

小説/詩

だれもゐない砂浜に 夜はしづかに降りてきて
波の言葉は かすかな囁きをくりかへす
青い月光が 寄せてはかへる水の面(も)に
まるで傷ついた記憶のやうに 揺れてゐる
私はそこに ひとつの古い夢を置いたのだつた
風がすぎてゆけば すべては消えてしまふのに
私の心はまだ あかるいあの方の面影を
このつめたい砂のなかに さがしてゐる
月よ おまへはすべての忘却を知つてゐるのか
それとも 届かない祈りをあざ笑ふのか
揺れる光は ただ波のうえで踊るばかり
影のない渚を 私はひとり歩いてゆく
どこかで鳴つてゐる かなしいオルゴールのやうに
月光はただ 私の足跡を白く濡らしてゐる


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