眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

But Beautiful

日記

煙草の紫煙が琥珀色のバーボンに溶ける頃、シャーリー・ホーンの掠れた歌声がスピーカーから零れ落ちた。
ここは外の雨音だけが世界の全てのような、港町の外れにある寂れた酒場だ。



ジュークボックスが息を吐くように、
彼女は哀愁を囁く。
Love is funny, or it's sad, or it's quiet...
まるで、すべてを見透かした夜の魔女のように。
カウンターの片隅で、
俺は冷めきったグラスを弄ぶ。
窓ガラスを伝う雨粒は、
ネオンの赤と青を滲ませて、
この街の嘘みたいに安っぽい哀しみを映し出す。
扉のベルが鳴り、誰かが入ってくる。
振り返る必要なんてない。
コートの襟を立て、タールと雨の匂いを連れたその客は、
かつての俺自身か、あるいは過ぎ去った幻影だ。
ここは誰もが傷を舐め合う場所。
夢の残骸と、男たちの懺悔が、
ジャズの旋律に溶けていく。
美しい嘘でも構わない。
シャーリーが紡ぐ旋律が、
今夜だけは、この荒涼とした心をそっと抱きしめてくれるから。_


#日記広場:日記