眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

避暑の日に

小説/詩

都会の熱(いき)れは僕を苦しめ
僕はただ、遠い冷気(ひえびよ)を夢みてゐた
アスファルトの照り返す、あの重い真昼から
逃れるやうに、この高原の駅へ降り立つ
ここには、青い風のひろがりがある
都会の騒がしさは、もう遠い幻のやうだ
白樺の葉が擦れ合ふ、かすかな音楽のなかに
僕は傷ついた呼吸(いき)を、そつとひたしてゐる
おまへは僕の、冷たい手を取つてくれるだらうか
この、雲の湧き上がるみづみづしい麓で
――あふれる木漏れ日よ、僕の額(ぬか)を癒せ
僕はしばらく、街の暑さを忘れてゐよう


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