眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

雲海の麓 避暑地に寄せて

小説/詩

しかし、僕はまたかへつて來た
あたたかな雲の海原のその麓へ
風が過ぎゆく、草の青い匂いを連れて
失はれた日の幻を呼ぶために
おまへは知つてゐるか むらさきの山並みを
遠い空の端(はし)に光るつめたい朝を
僕はひとりの美しい歌を歌へばよいのだ
過ぎ去りし季節の、なつかしい面影に
白樺の影が、白妙(しろたへ)の道に落ちて
鳥の羽音は、高く、青空へ消えてゆく
――あふるる涙のやうに美しい景色よ
僕はここで、ただ静かに息をしてゐよう


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