眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

閃光と濁流の記憶

小説/詩

あの夏、世界は一瞬で反転した
轟音とともに押し寄せた濁流が
愛すべき人の叫びも、見慣れた街並みも
すべてを容赦なく 泥の底へと呑み込んだ
引いた水のあとに遺(のこ)されたのは
灼熱に炙(あぶ)られる、無残な肉片と死臭
鼻腔にこびりついた あの悪夢の匂いが
今もこの乾いた風のなかに 蘇る
狂おしい鼓動
ドク、ドク、と
胸の奥で、心臓が狂ったように鐘を鳴らす
これは生きている証(あかし)ではない
あの日、一人だけ生き延びてしまった
醜い己への、絶え間ない 責め苦の音だ
あの人を救えなかったその両手を
ただ硬く、皮膚が裂けるほどに握り締める
武器を持つことさえ ぬるい言い訳だ
この身一つで、俺はあの絶望と 対峙する
焦熱の贖罪
照りつける太陽は
俺の罪を 容赦なく暴き立てる
汗と、血と、乾いた泥にまみれながら
あの日消えた街の幻影を 見つめていた
許されることなど、端(はな)から求めていない
この嫌悪すべき 己の五感すべてを使って
あの夏の地獄を、死ぬまで 刻み付け続ける
それが、生き残ってしまった男の 唯一の規律だ_


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