眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

阿蘇の窓にて — 旅人の歌

小説/詩

夕映えは 外輪山のなだらかな肩を染め
旅人の僕は ひとつの窓辺に佇(たたず)む
草千里をわたる風が カーテンを小さく揺らし
真夏のあかるい一日の終はりを 告げてゐた
遠い火の山の かすかな煙のゆくへを
僕はただ しづかな眼(まなこ)で追つてゐる
見知らぬ村の ともしびがひとつ、またひとつ
青いねむりのなかに ともりはじめる
窓よ おまへは旅する僕の孤独を写し
はるかな故郷(ふるさと)の 夢を運んでくる
かすかに匂ふ 野薔薇の香りのやうに
夜のしじまが この宿りを深く包むとき
僕はひとりの 幸福な旅人となり
明日のあかるい道へと ねむりにつくだらう_


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