眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

想いでのオーヴェル

小説/詩

黄金色の麦畑が、
夕闇の底へ沈んでいく。
カラスの群れが空を裂き、
まるで誰かの命の終わりを告げるように、
不吉な影を落としていた。
オワーズ川の水面(みなも)は、
ひたすらに冷たく、暗い。
あの日、あの男が流した血の色を、
すべて飲み込んでしまったかのように。
俺のポケットの中、
使い古したライターが、
静かに冷えていく。
火を灯したところで、
この街の憂鬱(メランコリー)を
燃やし尽くすことなどできやしない。
教会がそびえ立つ。
歪んだ青空を背景に、
まるで行く手を阻む巨大な墓標だ。
神がここにいないことくらい、
最初から分かっていたさ。
「手遅れだ」と、風が囁(ささや)く。
カンヴァスに塗りたくられた原色は、
狂気か、それともただの執着か。
男は銃を握り、
俺はただ、煙草の煙を吐き出す。
想い出なんてものは、
引き金を引いた後の硝煙に似ている。
一瞬だけ鼻を突き、
あとは虚無の中に消えていく。
オーヴェル=シュル=オワーズ。
ここは、夢が力尽き、
現実だけが硝子(ガラス)のように
尖る街。


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