眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

陽炎のダイス

小説/詩

アスファルトが吐き出す熱気が
安物のリネンスーツを容赦なく濡らす
午後三時、世界の輪郭が歪む時間
俺は錆びついた自販機に背を預け
ぬるい炭酸水を喉に流し込んだ
「誰も信じるな」
それがこの街の、たった一つの錆びないルール
だが、本当に厄介なのは
鏡の向こうで乾いた目をしている
自分という名の、もう一人の他人だ
昨日の誓いは、今日の熱風にかき消され
明日の計画は、氷のように一瞬で溶ける
正義も、組織も、過去の栄光も
この酷暑の中じゃあ
ただの重たい生ゴミに過ぎない
胸のポケットで、軋むブリキの時計だけが
確かな秒針の音を皮膚に伝えている
明日へ歩を進めるのは俺の足だが
その足を動かす意思さえも
本当に俺のものか、怪しいものさ
すべてをあてにするな
期待するから、裏切られた時に心がひび割れる
最初から何も持っていなければ
失う恐怖に背中を丸めることもない
傾いた太陽が、街を血のような朱に染めていく
俺は煙草に火をつけ、深く煙を吸い込んだ
肺を焼く熱さが、生存の唯一の証明
自分さえも欺くこの世界で
俺はただ、次の足跡を刻むだけ
誰も待っていない、熱帯の闇の向こうへ。


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