陽炎のダイス
アスファルトが吐き出す熱気が
安物のリネンスーツを容赦なく濡らす
午後三時、世界の輪郭が歪む時間
俺は錆びついた自販機に背を預け
ぬるい炭酸水を喉に流し込んだ
安物のリネンスーツを容赦なく濡らす
午後三時、世界の輪郭が歪む時間
俺は錆びついた自販機に背を預け
ぬるい炭酸水を喉に流し込んだ
「誰も信じるな」
それがこの街の、たった一つの錆びないルール
だが、本当に厄介なのは
鏡の向こうで乾いた目をしている
自分という名の、もう一人の他人だ
それがこの街の、たった一つの錆びないルール
だが、本当に厄介なのは
鏡の向こうで乾いた目をしている
自分という名の、もう一人の他人だ
昨日の誓いは、今日の熱風にかき消され
明日の計画は、氷のように一瞬で溶ける
正義も、組織も、過去の栄光も
この酷暑の中じゃあ
ただの重たい生ゴミに過ぎない
明日の計画は、氷のように一瞬で溶ける
正義も、組織も、過去の栄光も
この酷暑の中じゃあ
ただの重たい生ゴミに過ぎない
胸のポケットで、軋むブリキの時計だけが
確かな秒針の音を皮膚に伝えている
明日へ歩を進めるのは俺の足だが
その足を動かす意思さえも
本当に俺のものか、怪しいものさ
確かな秒針の音を皮膚に伝えている
明日へ歩を進めるのは俺の足だが
その足を動かす意思さえも
本当に俺のものか、怪しいものさ
すべてをあてにするな
期待するから、裏切られた時に心がひび割れる
最初から何も持っていなければ
失う恐怖に背中を丸めることもない
期待するから、裏切られた時に心がひび割れる
最初から何も持っていなければ
失う恐怖に背中を丸めることもない
傾いた太陽が、街を血のような朱に染めていく
俺は煙草に火をつけ、深く煙を吸い込んだ
肺を焼く熱さが、生存の唯一の証明
自分さえも欺くこの世界で
俺はただ、次の足跡を刻むだけ
俺は煙草に火をつけ、深く煙を吸い込んだ
肺を焼く熱さが、生存の唯一の証明
自分さえも欺くこの世界で
俺はただ、次の足跡を刻むだけ
誰も待っていない、熱帯の闇の向こうへ。