眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

午前三時、プラットホームの空白

小説/詩

真夏の月は、冷徹な蛍光灯のようで
誰もいない終着駅の線路を、どこまでも白く晒している。
熱を孕んだ鉄の匂いが、鼻腔を突いた。
ポケットのなか、帰りの切符は
いつの間にか握りつぶされ、ただのクズ紙になっている。
どこへ行くつもりだったのか、
それさえ今の俺には、どうでもいい。
「人生のレール」などと、大仰な言葉はいらない。
俺が歩くのは、ただの気まぐれな獣道だ。
あらかじめ引かれた線の上さえ、
まともに歩けないほどの、いい加減さ。
他人の期待を裏切るのには、もう慣れた。
だが、自分自身の期待を、
こうも鮮やかにすり抜けていく自分には、返す言葉もない。
時計の針は正確に絶望を刻むが、
俺の心は、ただぬるい風に吹かれて揺れている。
自分さえ当てにならない、この決定的な適当さ。
それは一種の、救いなのかもしれない。
遠くで、最後の回送列車が軋んだ音を立てて消えていく。
見上げる空、満月だけが正気を保っていた。
線路の終わりは、何かの始まりか。
それとも、ただの行き止まりか。
まあ、どちらでもいい。
俺はクズ紙になった切符を闇に放り、
線路の途切れたその先へ、靴底を響かせて歩き出す。


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