眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

潮風のエンブレイサブル・ユー(夜明け前)

小説/詩

月光が海の彼方へ消え去り
世界が最も深く沈み込む時間
波止場を包む空気は
氷のように冷たく張り詰めている
水平線の向こうから
世界をそっと揺り動かすように
湿った潮風が吹きつけ
トレンチコートの襟を激しく叩く
耳の底で小さくリピートする
サラの消え入るようなラストノート
夜の終わりを告げるメロディが
波の音にかき消されていく
「私の愛を受け入れて」
かすかに白み始めた東の空
夜と朝の境界線で
凍えた両手に息を吹きかけ
ただ一歩、新しい足跡を刻む
愛も、孤独も、引きずった過去も
この冷たい潮風がすべて掠(かす)め取っていく
振り返る十字路はもう霧のなか
「代わりのきかないあなた」
その幻影を夜の底に置き去りにして
新しい光を浴びるために
波止場を歩き出す



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