夏闌の、君にひき裂かれた風
青いカンヴァスに、一本の白い線。
灼熱の硝子(がらす)のなかに、
ぼくらの灯台は突っ立ってゐる。
逆光のなかの、鋭い沈黙。
灼熱の硝子(がらす)のなかに、
ぼくらの灯台は突っ立ってゐる。
逆光のなかの、鋭い沈黙。
波は、くだける貝殻のひびき。
光のつぶてに追はれながら、
海鳥たちは、ひくく、また、たかく、
失はれた歌の一行(いちぎょう)をなぞる。
光のつぶてに追はれながら、
海鳥たちは、ひくく、また、たかく、
失はれた歌の一行(いちぎょう)をなぞる。
風はどこから吹いてくるのか。
ただ、まぶしすぎる時間のなかで、
銀の翼(つばさ)が、空をきざむ。
それは、かへらない日々の、かすかな戦慄(せんりつ)。
ただ、まぶしすぎる時間のなかで、
銀の翼(つばさ)が、空をきざむ。
それは、かへらない日々の、かすかな戦慄(せんりつ)。
あんなに遠く、
あんなに青く、
海鳥の眸(ひとみ)が写したものは、
もう、だれも記憶してゐない。
あんなに青く、
海鳥の眸(ひとみ)が写したものは、
もう、だれも記憶してゐない。
ただ一瞬の、午後のまどろみ。
灯台は、立ったまま夢をみる。
波のなかに消えてゆく、
あの、やさしい調べのために_
灯台は、立ったまま夢をみる。
波のなかに消えてゆく、
あの、やさしい調べのために_