眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

夏闌の、君にひき裂かれた風

小説/詩

青いカンヴァスに、一本の白い線。
灼熱の硝子(がらす)のなかに、
ぼくらの灯台は突っ立ってゐる。
逆光のなかの、鋭い沈黙。
波は、くだける貝殻のひびき。
光のつぶてに追はれながら、
海鳥たちは、ひくく、また、たかく、
失はれた歌の一行(いちぎょう)をなぞる。
風はどこから吹いてくるのか。
ただ、まぶしすぎる時間のなかで、
銀の翼(つばさ)が、空をきざむ。
それは、かへらない日々の、かすかな戦慄(せんりつ)。
あんなに遠く、
あんなに青く、
海鳥の眸(ひとみ)が写したものは、
もう、だれも記憶してゐない。
ただ一瞬の、午後のまどろみ。
灯台は、立ったまま夢をみる。
波のなかに消えてゆく、
あの、やさしい調べのために_


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