眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

想いでのモンマルトルの丘の風

小説/詩

白いサクレ・クールを あわく濡らして
朝のひかりが 石段をのぼってゆく
僕の帽子を ふいにさらおうとするのは
あのなつかしい モンマルトルの丘の風
風は むかし僕たちが口ずさんだ
名もない歌の リフレインを運んでくる
画架を並べた テルトル広場の片隅で
きみが笑っていた あの夏の日のはかなさ
見下ろせば 海のようにひろがるパリの街
カルチェラタンの夕日も モンパルナスの灯も
すべてはひとつの 遠い追憶のなかに溶けて
いまはただ 僕の頬をすぎてゆく風のなかに
ゆこう もうふり返ることはすまい
風が僕の背中を そっと押してくれるから
ポケットのなかの 消えかけたノートを抱き
僕は新しい 坂道をくだってゆく


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