眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

遠いアカデミー・ドゥ・ラ・グランド・ショミエール

小説/詩

木炭のこなの あわく舞う部屋に
ひとすじの光が 古い画架(イーゼル)を照らし
僕はただ 見知らぬモデルの輪郭を
白い素描紙のなかに そっと閉じ込めようとする
ここには かつて夢を追った異邦人たちの
かすかな吐息が いまでも壁に眠っている
きみが削っていた パステルのやわらかな青が
僕の指先を いつまでも冷たく染めて
窓のそとには モンパルナスの並木路
もうだれも 僕の素描をのぞきこみはしないのに
僕はノートの余白に 小さな窓の絵をかいて
あのなつかしい人の 名前をひとつつぶやいてみる 
さようなら 木炭の匂うアトリエの午後よ
傾くひかりは 僕の孤独の影をながくのばし
カルチェラタンの夕日が 街を染めあげるころ
僕は一枚の素描を抱き 静かに扉をおそう


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