眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

月光と雨のセーヌ川

小説/詩

そっと窓をひらけば 夜のしずく
雨のなかに 青い月光がとけてゆく
セーヌの川面は 銀色にかがやきながら
僕のなくした時間を どこへ運んでゆくのだろう
ポン・ヌフのアーチのした あわく揺れる影
きみのさしかける傘の うつくしい丸みのなかで
僕はただ やさしいソナタを聴くように
言葉にならない旋律を 胸につぶやいている
濡れた石畳が 月のひかりを照り返し
カルチェラタンも モンパルナスのともしびも
いまはすべて このひとつの水面のなかに溶けて
僕たちの愛の記憶を しずかに祝福してくれる
さようなら 月光と雨に濡れた巴里(パリ)の夜よ
僕はノートを閉じ あたらしく歩きはじめよう
あしたの朝には モンマルトルの丘のうえに
きっと 澄みわたる風が吹くだろうから


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