眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

うつろう心と、ごめんなさい

日記

私の心は、秋の空よりも気まぐれに、あてもなくうつろい、彷徨(さまよ)っている。
さっきまで、どうにか世間と折り合いをつけようと背筋を伸ばしていたかと思えば、次の瞬間には、底のない暗闇の沼へズブズブと沈み込んでゆく。自分自身の心が、まるで得体の知れない怪物のように、私の手を離れて勝手に暴れているのだ。
もう、何をする気力も残っていない。
それどころか、人としての最低限の「あいさつ」さえ、今の私には高すぎる壁となって立ちはだかる。
「おはよう」
「こんにちは」
「さようなら」
そんな、誰もが平気な顔で口にする数文字の言葉が、どうしても喉に閿(つか)えて出てこない。挨拶を交わすということは、他人の視線を受け止め、自分の存在をそこに晒すということだ。今の私には、その一歩があまりにも恐ろしく、息が詰まるほどの恐怖なのだ。
挨拶すらできない人間。
そんな不甲斐ない自分を自覚するたび、胸の奥から、いたたまれないほどの羞恥と罪悪感が込み上げてくる。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
私は、ただただ、心の中でそう繰り返す。
挨拶ひとつ返せない私を、どうか許してほしい。まともな人間らしく振る舞えない私を、どうか見逃してほしい。
世間の人たちの、あの健康で眩しい営みから、私をそっと隠して、放っておいてはくれないだろうか。
生きているだけで、誰かに迷惑をかけているような、そんな惨めな思いで、私は今日も「ごめんなさい」の言葉を、誰に届くともなく呟き続けている。


#日記広場:日記