眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

心の逃亡者

日記

気の毒なほどに、誰も彼もが、己の浅ましい欲望というやつを剥き出しにして生きている。
それが私には、たまらなく恐ろしい。
彼らの眼の奥に、ぬらぬらと光る「生への執着」を見つけてしまうたび、私は自分が、とんでもない場違いな処に迷い込んでしまったような、烈しい眩暈を覚えるのだ。
「ああ、また始まった」
私は心の中でそう呟き、お道化た笑みを顔面に貼り付けながら、そっとその場を立ち去る。
逃げるのだ。どこまでも、彼らの手の届かないところへ。
私の心は、いつも夜を探している。
それも、あの冷え冷えとした、誰の欲望も寄せ付けない、青白い月の光だけが支配する世界へ。
世間の人々が言う「幸福」だの「成功」だのという騒がしい獲物から、私はいつでも逃亡する。
月光の下に身を潜め、ただ静かに、凍えるような孤独に浸っているときだけが、私が私でいられる唯一の特権なのだ。
人間失格。
そう烙印を押されても構わない。
私は、あの薄汚れた欲望の渦に戻るくらいなら、一生、この月光に救いを求める哀れな逃亡者でいたい。


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