竹林の秋
ひそやかに
ひかりは梢をこぼれて
青い影のなかに
ひとつの 小さな翳(かげ)をのこす
ひかりは梢をこぼれて
青い影のなかに
ひとつの 小さな翳(かげ)をのこす
だれを待つともなく
風は笹の葉をそよがせ
去っていった季節の かすかな記憶を
冷たい空気に にじませている
風は笹の葉をそよがせ
去っていった季節の かすかな記憶を
冷たい空気に にじませている
私のなかの もうひとりの私は
ただ 静寂(しじま)に耳をすまし
失われた歌の やさしい節(ふし)を
口ずさむようにつぶやく
ただ 静寂(しじま)に耳をすまし
失われた歌の やさしい節(ふし)を
口ずさむようにつぶやく
夕暮れは まだ遠く
けれども ひそやかに
竹の林は 秋のなかに沈み
私という ひとつの影を
深く 包みこんでゆくのだ
けれども ひそやかに
竹の林は 秋のなかに沈み
私という ひとつの影を
深く 包みこんでゆくのだ