去っていく私
さようなら
もう ふり返ることはありません
竹の葉が 小さくあわただしく波打ち
私の足跡を ひそかに消してゆくから
もう ふり返ることはありません
竹の葉が 小さくあわただしく波打ち
私の足跡を ひそかに消してゆくから
あんなに優しかったひかりも
今はただ 冷たいしずくのようになって
私の肩を そっと濡らすばかり
胸の奥のオルゴールは もう鳴りやみました
今はただ 冷たいしずくのようになって
私の肩を そっと濡らすばかり
胸の奥のオルゴールは もう鳴りやみました
泣いているのは 私ですか
それとも 置き去りにされるこの林ですか
すれ違う風のなかに
私のなまえが かすかにほどけて消えてゆく
それとも 置き去りにされるこの林ですか
すれ違う風のなかに
私のなまえが かすかにほどけて消えてゆく
どうか 見つけないでください
秋の深い翳(かげ)のなかに
溶けてゆく ひとつの影を――
私は静かに あなたの記憶からも 歩み去るのです
秋の深い翳(かげ)のなかに
溶けてゆく ひとつの影を――
私は静かに あなたの記憶からも 歩み去るのです