眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

去り行く旅人

小説/詩

第一部:朝霧の出立
朝の霧が 竹林の奥へ流れるとき
私は静かに なじんだ道を歩みだす
露に濡れた笹の葉が そっと囁き
引き留めるような手を 引き絞るように
もう一度だけ ふり返るべきだろうか
いいえ 光はすでに東の空に淡く
私の古い名前を 消し去ろうとしている
ただ一言の「さようなら」さえ残さずに
胸の奥のオルゴールは ねじが切れ
冷たい風だけが からっぽの音を鳴らす
旅人はただ 長い影を引いてゆく
見送る者もない 寂しい坂道の途中で
私はひとつ 大きなため息をつき
まだ見ぬ明日の 寂寞へと足を踏み出す


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