眠りの森 〜言葉の雫〜

眠

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

月よりの使者――群青によせて

小説/詩

III. 紺碧(こんぺき)のなごり
もう 使者の姿はどこにもない
開け放たれた窓からは ただ
東の空が うすむらさきに明けてゆく気配だけ
あんなに深かつた群青は どこへ消えたらう
机のうえには 空っぽの硝子壜
けれど僕の心は なぜだか少しだけ
洗ひ流された渚のやうに すきとほり
遠い調べが まだ耳の奥で鳴つてゐる
月はもう 白くかすんでしまつたけれど
僕の書く詩の 一行一行のすきまに
あの群青の影が いつまでも残つてゐる
それは失つた日々の 美しいあしあと
僕はあおいインクを万年筆に満たし
まだ見ぬ明日のために 最初の文字を書きつける


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